日本人に多い病気の1つとして胃・十二指腸潰瘍があります。
ストレス、ピロリ菌感染と原因は様々で患者数は50万人を超えています。
今回はこの胃・十二指腸潰瘍の治療に処方されるプロテカジン錠について説明します。
プロテカジン錠の効能・効果
プロテカジン錠は以下に対して適応があります。
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎
- 急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
- 麻酔前投薬
そして用法用量は次のようになります。
●胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎
通常、成人にはラフチジンとして1回10mgを1日2回(朝食後、夕食後または就寝前)経口投与する。
(年齢、症状により適宜増減あり)
●急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
通常、成人にはラフチジンとして1回10mgを1日1回(夕食後または就寝前)経口投与する。
(年齢、症状により適宜増減あり)
●麻酔前投薬
通常、成人にはラフチジンとして1回10mgを手術前日就寝前及び手術当日麻酔導入2時間前の2回経口投与する。
プロテカジン錠の副作用
プロテカジン錠には大きく目立った副作用はありません。頻度は少ないですが
の報告はあります。もしプロテカジン錠を飲んで体調に異変を感じたら医師に相談しましょう。
プロテカジン錠とガスター錠との比較
ガスター錠とプロテカジン錠の成分は違いますが作用機序は同じです。
作用機序:H2受容体拮抗作用(H2ブロッカー)
しかしガスターの販売から15年後に販売されたプロテカジンにはいくつかの特徴があります。
(ガスター錠:1985年販売開始 プロテカジン錠:2000年販売開始)
プロテカジン錠は肝臓で代謝される
H2受容体拮抗作用の薬はガスター錠以外にも多数ありますがどれも腎臓で代謝されます。
腎臓で代謝される薬を腎機能に障害がある人や高齢者に投与すると代謝されていない薬の濃度が上昇し、薬の尿への排泄が減少します。そのため薬の用法、用量に注意しなくてはいけません。
プロテカジン錠は肝臓で代謝されるため用量を調節せずに服用することができます。
(透析患者にはプロテカジン錠も用量を調節する必要あり)
プロテカジン錠の粘膜保護作用
H2受容体拮抗作用の主な作用は胃酸分泌=攻撃因子を抑制することです。
この点はガスター錠とプロテカジン錠も同じです。
しかしプロテカジン錠にはそのほかにも胃粘膜血流増加、胃粘膜の生合成促進などの
増強作用が認められています。この作用は口腔から大腸までの全ての粘膜に作用すると言われているため適応外にはなりますが舌痛症、癌化学療法時の口内炎の治療にも処方されることがあります。
胃潰瘍 | 十二指腸潰瘍 | |
---|---|---|
ガスター錠 |
98.2%
|
95.8%
|
プロテカジン錠 |
93.0%
|
96.8%
|