
今回は本態性振戦について唯一適応を持つアロチノロール錠について説明します。
現在商品名はアロチノロール錠といいますが、以前まではアルマール錠という商品名で販売されていました。しかし糖尿病治療薬のアマリール錠と商品名が似ており、死亡例を含む医療事故が起きたため2012年にアロチノロール錠へ商品名が変更されたという経緯があります。
アロチノロール錠の効果
【効能・効果】
①本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈
②本態性振戦
本態性振戦とは?
本態性振戦とは原因がわからないふるえの症状のことをいいます。
ふるえ以外には他に症状がみられないことが特徴です。
発症しやすい年代としては中年以降が多いですが、若い人でも発症することがあります。
傾向として年を重ねることで症状が少しずつ悪くなっていくといわれています。
上記で説明したようにふるえの本態性振戦の原因はいまだ解明させていませんが精神的に緊張した状態になると症状が悪化することが多いため、興奮した時に働く交感神経が関係しているといわれています。また家族や親類に本態性振戦の方がいると子供に振戦が生じることがあるのも1つの特徴です。
本態性振戦の他の特徴として飲酒によってふるえが軽くなる場合があります。
しかしお酒でふるえを抑えることは絶対にやめてください。
飲酒が癖になり になる恐れがあります。
気になるふるえがでた場合はまず担当医に伝えましょう。
本態性振戦で症状がでやすい部位として手、頭、声のふるえが挙げられます。
日常生活で次のような症状が現れましたら一度担当医に相談しましょう。
- 結婚式や葬式にでの記帳で手がふるえ、自分の名前が書けない
- 人前でのスピーチで声がふるえる
- 手がふるえてコップがうまく持てない
- シャツのボタンがうまくかけられない
- 箸がうまく使えず食べずらい
- 頭が左右に小刻みにふるえる
最後に本態性振戦の症状を実際に動画で確認してみましょう。
アロチノロール錠の用法・用量
①通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として、1日20mgを2回に分けて経口投与する。
なお、年齢・症状等により適宜増減することとするが、効果不十分な場合は、1日30mgまで増量することができる。
②通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として1日量10mgから開始し、効果不十分な場合は1日20mgを維持量として2回に分けて経口投与する。
なお、 年齢・症状等により適宜増減するが1日30mgを超えないこととする。
アロチノロール錠の副作用
アロチノロール錠を服用する時に気を付けてほしい副作用として
などが挙げられます。アロチノロール錠は適応でも説明したように高血圧の患者さんも服用する薬です。
本態性振戦の治療を目的として服用している患者さんは などの症状が高血圧の患者さんより現れやすいので気を付けましょう。
またアロチノロール錠を服用することができない条件の1つとして気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者が挙げられます。
気管支喘息や気管支痙攣を治療中の方は担当医にきちんと伝えましょう。
ありがとうございました。
読むことで落ち着きを一瞬取り戻しました。
自身からみて右首の血管が少し痛いなんて関係ありますかね。
中村さん。
コメントありがとうございます。
右首の血管に痛みがあるということですが、アロチノロール錠の副作用にはそのような報告はありませんでした。
ただ他の原因によって痛みがでている可能性はあるので、次回受診した際には痛みについて医師に相談することをお勧めします。