骨粗鬆症が原因で骨折してしまう方は年々増えています。
以前骨粗鬆症の治療薬としてビビアント錠について説明しました。
今回は別の作用機序であるベネット錠について説明します。
ベネット錠の効果
ビビアント錠の作用の仕方は女性ホルモンであるエストロゲンの受容体に作用して骨を丈夫にする薬でした。ベネット錠の作用の仕方はビビアント錠とは異なります。
ビビアント錠について
ベネット錠は骨を破壊する破骨細胞に対してその働きを抑制する効果があります。
骨を破壊する細胞と聞くと悪い細胞のように思えますがそうではありません。
この破骨細胞と骨を形成する骨芽細胞のおかげで私達の骨は丈夫に保たれているのです。
骨粗鬆症の患者さんの多くはこの破骨細胞が働きすぎていて
ベネット錠は破骨細胞を落ち着かせてリモデリングのバランスをとっている薬と考えてもらうといいですね。
ベネット錠の飲み方
ベネット錠2.5mg
成人はリセドロン酸ナトリウムとして2.5mgを1日1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口服用する。なお、服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること
ベネット錠17.5mg
成人はリセドロン酸ナトリウムとして17.5mgを1週間に1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口服用する。なお、服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。
ベネット錠75mg
成人にはリセドロン酸ナトリウムとして75mgを月1回、起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与する。なお、服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。
最初はベネット錠は2.5mgしかありませんでした。
しかし毎日朝から服用後30分横にならず、食事や他の薬の服用を控えるのは大変でした。
そこでメーカーが服用の負担を減らすため1週間タイプ、1ヶ月タイプの薬を開発しました。
でももし飲み忘れたらどうすればいいのですか?
1ヶ月タイプのベネット錠の場合は同じ日に服用することが基本です。
もし飲み忘れた場合は翌日に服用してください。
その後はまた最初に決めた日に服用すれば大丈夫です。
間違っても昼食後や夕食後に服用しないように気を付けましょう。
骨を強くするために牛乳と一緒に飲んだり、普段ミネラルウォーターを飲んでいる人はベネット錠と一緒に服用しないように気を付けましょう。
ベネット錠の副作用
たまに起こる副作用とし
またベネット錠の飲み方にも記載しましたが服用後横になってしまうと食道にひっかかる恐れがあります。30分間は横にならないように注意しましょう。
件数は非常に少ないですがベネット錠などのビスフォスフォネート製剤を服用していて抜歯などの歯科治療をうけた方が顎骨壊死、顎骨骨隨炎を発症したという報告があります。
ご高齢になると入歯の調整など歯科医院に通うことも多くなります。
抜歯などの治療をすることになったら一度医師に相談しましょう。