肝臓

私達の体の臓器の1つに肝臓があります。
肝臓は栄養素を分解・合成、アルコールや薬の解毒作用、脂肪を消化するための胆汁を生成するなど体にとって重要な働きをしています。

今回はこの肝臓の機能を助ける作用があるウルソ錠について説明します。

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ウルソ錠の歴史

ウルソ錠はどのようにして発売されたのですか?

ウルソ錠は肝・胆・消化機能改善薬として発売された歴史のある薬です。
ウルソはラテン語のの総称であるウルサスから命名されました。

どうして熊が関係あるのですか?

それはウルソ錠が熊の胆汁から作られる生薬(熊胆:ゆうたん)を薬効の起源として開発された薬だからです。熊胆をはじめ、昔から動物の胆汁は薬として重宝されていました。

シルクロードをわたって中国に伝えれた熊胆は奈良時代に遣唐使によって日本に伝えられています。熊胆は効き目が大変よかったため当時は貴重な生薬とされていました。そのため天皇などの上流階級にのみしか服用できませんでした。

そして時は過ぎ、1920年代になると岡山大学の正田先生によって熊胆の主成分が特定されました。これがウルソ錠の主成分であるウルソデオキシコール酸(UDCA)です。

その後ウルソデオキシコール酸の構造式も判明し、合成方法を確立することでウルソ錠は1957年発売されました。

ウルソ錠の成分であるウルソデオキシコール酸は昔から薬として使われていたんですね。

ウルソ錠の効果

ウルソ錠の効能・効果を確認するよ。

①肝機能改善
・胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁のうっ滞に伴う肝疾患における利胆
・慢性肝疾患における肝機能の改善
・小腸切除後遺症 炎症性小腸疾患における消化不良

ウルソ錠はどのようにして肝機能を改善させるのですか?

ウルソ錠の効果を理解する前に肝機能の仕組みを確認しましょう。
肝臓には様々な機能がありますが1つに胆汁を作る機能があります。

胆汁の構成成分は9割以上が水分。他に胆汁酸、ビリルビン、コレステロールが含まれています。

この胆汁の成分である胆汁酸は胆汁とともに胆道を通って小腸へ流れます。
最初に説明したように小腸へ流れた胆汁中の胆汁酸は小腸で脂質の消化吸収を助ける働きがあります。他のビリルビンなどの老廃物は胆汁を介して糞便中に排泄されています。

小腸に流れた胆汁酸ですがその後、腸管から吸収され肝臓に戻りまた再利用されます。
これを胆汁酸の腸管循環といいます。

この腸管循環を動画で確認しましょう.
(専門用語が多いですが流れを確認できれば大丈夫です。)

胆汁酸の構成成分
・一次胆汁酸(肝臓で合成される胆汁酸)
 コール酸、ケノデオキシコール酸

・二次胆汁酸(一次胆汁酸が腸内細菌に生成される胆汁酸)
 デオシキコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸

ここでウイルスや薬物により、肝臓が障害をうけると肝機能が低下し胆汁の流れが悪くなってしまいます。このような状態を胆汁うっ滞といいます。

胆汁うっ滞になると胆汁酸が肝臓で高濃度になり、細胞障害が起こります。
この胆汁酸の細胞障害により肝機能はさらに低下していきます。

デオシキコール酸、リトコール酸などは細胞毒性があるため濃度が高くなると肝細胞に障害を与えてしまう。

この時にウルソ錠を投与すると成分であるウルソデオキシコール酸が腸管から速やかに吸収され、肝臓に入り胆汁の成分として他の胆汁酸と同様に腸管循環します。

その結果、ウルソデオキシコール酸が他の胆汁酸成分と置き換わり腸肝循環を行う胆汁酸成分におけるウルソデオキシコール酸の比率が増加していきます。

こうして細胞障害性をもつ胆汁酸の割合が少なくなることで肝障害が軽減され、胆汁うっ滞も落ち着いてきます。またウルソ錠自体に肝細胞を保護する機能、胆汁の流れを改善する作用=利胆作用があるので各種の肝障害も抑制されます。

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②外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解

外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石とは何ですか?

実は胆石には様々な種類があります。成分で大まかに分類するとコレステロール胆石、色素胆石、その他の3種類に分けることができます。
これらを更に分類すると、次のようになります。

●コレステロール胆石(結石中のコレステロール含有量が70%以上)
・純コレステロール石
・混成石:石の割面で明らかに、内層と外層に区別でき、内層は純コレステロール石または混合石から成る胆石
・混合石:石の割面で放射状構造と層状構造が混在した、コレステロールを主成分とする胆石

●色素胆石
・ビリルビンカルシウム石
・黒色石

●その他の結石(まれな結石)
・炭酸カルシウム石
・脂肪酸カルシウム石
・その他

「外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石」とは、上記のうち、純コレステロール石および混合石が該当します。

他のウルソ錠の効能・効果としては以下の

③原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善

④C型慢性肝疾患における肝機能の改善

について適応があります。

③、④の適応はそれぞれ1999年、2007年に新たに追加になった効能・効果です。

④の補足ですがC型慢性肝疾患における基本の治療はウイルス排除療法です。
ウイルス排除のためのインターフェロン治療が効果がない、または副作用(インフルエンザ様症状など)でインターフェロン治療を続けることが困難な患者に対して投与が検討されます。

ウルソ錠の用法・用量

次にウルソ錠の飲み方について確認するよ。

①ウルソデオキシコール酸として通常,成人1回50mgを1日3回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する

②ウルソデオキシコール酸として,通常,成人1日600mgを3回に分割経口投与する。
なお,年齢症状により適宜増減する。

③ウルソデオキシコール酸として,通常,成人1日600mgを3回に分割経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。増量する場合の1日最大投与量は900mgとする。

④ウルソデオキシコール酸として,通常,成人1日600mgを3回に分割経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。増量する場合の1日最大投与量は900mgとする

食前、食後どちらでも大丈夫なのですか?

食前と食後で血中濃度を比較した試験ではほとんど違いがみられませんでした。
添付文書(お薬の説明書)でも服用のタイミングは決められていません。
食前、食後でどちらか服用しやすいタイミングで服用して下さい。

ウルソ錠の副作用

ウルソ錠に気を付ける副作用はありますか?

ウルソ錠には目立った副作用はありません。
頻度は低いですが下痢、悪心、かゆみなどが報告されています。

もしウルソ錠を服用して体の異変に気が付いたら担当医に確認しましょう。


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