気管支喘息は小児から大人まだ幅広い世代の方が発症しやすい病気です。
今回は気管支喘息に適応をもつテオドール錠について説明します。
テオドール錠の効果
【効能・効果】
気管支喘息,喘息性(様)気管支炎,慢性気管支炎,肺気腫
テオドール錠の用法・用量
成人:通常,テオフィリンとして,成人1回200mgを,1日2回,朝及び就寝前に経口投与する。また,気管支喘息については,テオフィリンとして成人1回400mgを,1日1回就寝前に経口投与することもできる。なお,年齢,症状に応じ適宜増減する。
小児:小児1回100~200mgを,1日2回,朝及び就寝前に経口投与する。
1日2回服用のグループと1日1回服用のグループを比較した試験では発作の改善度、安全度、有用度において差がないという結果が報告されています。
テオドール錠服用の注意点
テオドール錠とタバコ
タバコというとニコチンやタールなどによって肺を悪くすることはみなさんご存知だと思うのですが、実は薬の代謝にも影響を与える場合もあるのです。
今回のテオドール錠の場合、喫煙をするとテオフィリンを代謝する酵素が多く生み出されてしまいます。そのため普通の人よりもテオフィリンの濃度が低くなってしまい効果を得られない可能性があります。
逆にテオドール錠を服用している人が急に禁煙する場合も注意です。
先ほどのケースとは逆になりますが、禁煙することでテオフィリンを代謝する酵素が減ります。
すると喫煙時のテオフィリン濃度より上昇し、副作用がでてしまう恐れがあるのです。
テオドール錠を服用する時は喫煙をしているかを担当医にきちんと伝えましょう。
テオドール錠は徐放製剤
テオドール錠の見た目は他の薬とそこまで変わりませんが製造メーカーにより徐放性という工夫がされています。この徐放性により急にテオフィリンの濃度が上昇することなく服用することができます。
しかし飲みにくいからといって
したり、子供が飲めないからといって して飲ませてしまうと急激にテオフィリンの濃度が上がってしまうことがあります。テオドール錠には他の剤形としてシロップ剤、ドライシロップ剤があるので飲みにくい場合は担当医に相談しましょう。
(テオドールのシロップ剤、ドライシロップ剤の効能・効果は気管支喘息,喘息性(様)気管支炎のみ。)
テオドール錠と発熱
主に小児に対してですがテオドール錠を服用する際に気を付けることとして発熱があります。
というのも発熱、急性ウイルス感染(インフルエンザなど)時にはテオフィリンを代謝する能力が低下し、テオフィリンの血中濃度が上昇することが報告されているからです。
テオフィリンの血中濃度が上昇すると痙攣が起きやすくなるので注意が必要です。
喘息性(様)気管支炎はテオドール錠の適応の1つですが発熱を伴うことが多いため他の治療薬による治療を優先するように注意書きがあります。
子供が発熱した場合はテオドール錠の服用を減量、または中止する場合がありますのできちんと担当医の指示を聞いておきましょう。
また副作用の痙攣は今までに痙攣やてんかんを起こしたことがある子供に起きやすいという報告があります。既往歴はきちんと担当医に伝えておきましょう。
・初回服用時に発熱がある場合
安全性を考えて熱が下がってから服用を開始
・2回目以降の服用時の発熱
痙攣、てんかんを起こしたことがある子供においては発熱時には服用中止。
痙攣、てんかんを起こしたことがない5歳以下の乳幼児では発熱時にテオフィリンを減量。
発熱によるテオフィリンの代謝能力の低下は解熱後3日程度で回復するというデータあり。そのため、発熱時に投与量を変更した場合は熱が下がったら投与量をもとにもどす。
テオドール錠の副作用
頻度はそこまで多くはありませんが
などが報告されています。このような体の異変に気が付いたら一度担当医に相談してみましょう。