前回お話しした風邪とともに受診された方が訴える症状で多いのが
です。ノロウイルスで受診される方も多いです。
・ノロウイルスで注意すべき食事と症状
今回は嘔気と吐き気の症状があると処方されることが多いナウゼリン坐薬(成分:ドンペリドン)について説明します。
ナウゼリン坐薬の使い方
ナウゼリン坐薬には10㎎、30㎎、60㎎という3種類の規格があります。
そして小児に対しては
3歳未満の場合、通常ドンペリドンとして1回10mgを1日2〜3回直腸内に投与する。
3歳以上の場合、通常ドンペリドンとして1回30mgを1日2〜3回直腸内に投与する。
(年令、体重、症状により適宜増減あり)
大人に対しては
通常、ドンペリドンとして1回60mgを1日2回直腸内に投与する。
(年令、体重、症状により適宜増減あり)
と基本は年令によってナウゼリン坐薬は使い分けられています。
ナウゼリン坐薬の投与間隔
ナウゼリン坐薬を投与してから血液中の薬の濃度が半分になるのが約7時間です。
そのため2回目を投与したい場合は7~8時間は間隔をあけるといいでしょう。
ナウゼリン坐薬の効果
患者さんの病状や精神的状態で個人差がありますが約1~2時間ぐらいで効果がでてきます。
他の剤形としてナウゼリンには錠剤がありますが実はこちらのほうが効果発現は早いです。
(ナウゼリン錠の場合は効果発現まで約15~30分)
ナウゼリン坐薬:2時間 ナウゼリン錠:0.5時間
またナウゼリン錠は服用後、胃壁に直接作用できる。そのため成分量も錠剤のほうが少ない。
成人:ナウゼリン坐薬60㎎、ナウゼリン錠10㎎
ナウゼリン錠のほうが効き目が早いからといって嘔気、吐き気が強い時にナウゼリン錠剤を服用することはあまりお勧めしません。
というのもナウゼリン錠剤が刺激になって嘔吐を誘発してしまうからです。
ナウゼリンの坐薬と錠剤が処方されたらまず坐薬を挿入して1時間程度は様子をみましょう。
この時は何も食べたり飲まないほうがいいです。
その後吐き気が落ち着いてきたら水分を少しずつ飲んでいき、錠剤に切り替えていきましょう。
坐薬から錠剤へ切り替える時も間隔も7~8時間あけてもらえば問題ありません。
ナウゼリン坐薬の副作用
ナウゼリン坐薬には頻度が高い副作用はありません。剤形が坐薬ということで
などが報告されています。副作用においてはほとんど気にしなくていいのですが1点注意すべき重要なことがあります。それは妊婦又は妊娠している可能性のある人には使えないということです。
特に注意してほしいのが昔にもらったナウゼリンが残っていてつわりが起きた時に服用してしまうことです。僕が思うにこのケースが一番多いと思います。
ナウゼリン坐薬に限らず、妊婦又は妊娠している可能性がある場合で薬を服用したい時はきちんと産婦人科を受診しましょう。
12歳の子にナウゼリン10座薬を入れたのですが、大丈夫でしょうか?
ひろさん。
コメントして頂きありがとうございます。
記事にもあるように極端に体重が少なくなければ、12歳なら一般的にナウゼリン30の坐薬を使います。
ナウゼリン10の坐薬でも何か副作用がでるわけではありませんが、用量が少ないのであまり効果がみられないと予想されます。
吐き気が続くようなら一度病院へ受診し、新たに薬を処方してもらうようにしましょう。
以上で回答とさせていただきます。
それでは失礼します。