今回はパーキンソン病に効果があるメネシット配合錠について説明します。
(ネオドパストン配合錠Lと成分、服用方法は同じです。)
パーキンソン病とは?
パーキンソン病という病名はテレビや新聞などで聞いたことがある人も多いかもしれませんね。
まずはパーキンソン病がどのような病気なのか動画で確認してみましょう。
- 脳の病気
- 症状としては手足のふるえ、歩行困難、においがわからない
- ドパミンが足りない
- ドパミンを作る細胞がなくなっていく原因が不明
メネシット配合錠の成分
では治療にはドパミンを補給すればよいということですか?
パーキンソン病の症状を抑えるために脳内にドパミンを供給することは効果的です。
しかしドパミンは血液脳関門を通過できないため服用しても効果はありません。
脳内に有害な物質が入らないように制限するバリアー機能。脳に必要な糖やアミノ酸などは脳へ通過できる。ただし通過できる物質を厳密に区別している訳ではないので脳には不要なニコチンやアルコールなども通してしまう。
そこでメネシット配合錠では血液脳関門を通過できるレボドパという成分を含んでいます。
レボドパは血液脳関門を通過し、脳内でレボドパ脱炭酸酵素によってドパミンへ代謝されます。
これで大丈夫と思いきやここでも問題があります。
それはレボドパ脱炭酸酵素は脳内だけではなく腎臓、肝臓、小腸などにも存在しているのです。
そのため投与されたレボドパが血液脳関門に到達する前にドパミンに代謝されてしまうため脳内に移行するレボドパの量は内服した量の0.05%~0.1%といわれています。
その結果レボドパの大量投与が必要になってくるのですが、そうすると などの消化器症状の副作用が多発してしまいます。
この問題を解決してくれるのがもう1つの成分であるカルビドパです。
カルビドパはレボドパ脱炭酸酵素阻害薬の1つです。この作用により脱炭酸酵素がレボドパをドパミンに代謝されるのを防ぎます。
すべての脱炭酸酵素を阻害してしまうと脳内のドパミンは増えません。
でもカルビドパは脳を守っている血液脳関門を通過できないので脳内へ移行したレボドパには影響を与えないのです。
メネシット配合錠の効能・効果
【効能・効果】
パーキンソン病、パーキンソン症候群
2つの病態の違いはどうしてドパミンが不足しているのかという点です。
以下にドパミンが不足する原因を簡単にまとめてみます。
パーキンソン病:脳内のドパミン神経細胞(ドパミンを放出する細胞)の欠落
パーキンソン病症候群:脳血管障害、薬の副作用、外傷性
結果としてどちらもドパミンが不足しているので手足のふるえ、歩行困難などの症状がでます。
メネシット配合錠の用法・用量
レボドパ未服用患者:
通常成人に対し、レボドパ量として1回100~125mg、1日100~300mg経口投与よりはじめ、毎日又は隔日にレボドパ量として100~125mgずつ増量し、最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200~250mg、1日3 回)とする。
なお、症状により適宜増減するが、レボドパ量として1日1500mm を超えないこととする。
レボドパ既服用患者:
通常成人に対し、レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、レボドパ1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分けて経口投与する。以後、症状により適宜増減して最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として 1 回 200~250mg、1日3回)とするが、レボドパ量として1日1500mm を超えないこととする。
レボドパの服用の有無によって用法・用量が異なるので今までの服用歴はきちんと担当医に伝えましょう。また服用方法ですが速やかに吸収部位の小腸まで薬を届けるために
で服用しましょう。メネシット配合錠の副作用
メネシット配合錠は脱炭酸酵素であるカルビドパが配合されてある程度副作用は軽減されていますが
これら以外に頻度は下がりますが も報告されています。
また何か副作用が生じて急に服薬を中止したり、減量したりすると悪性症候群という副作用が発現する可能性があります。この症状は全身の筋肉の硬直と発汗、40℃近い発熱が特徴です。悪性症候群は脱水状態や体調がすぐれない時に起こりやすいです。
服用量は体調が悪い時でも自己判断せず、担当医に相談しましょう。